夢

「私と同じ怪我で悩んでる人を救いたい！」

バイトが終わって家に着いて味噌煮込みうどんをすする俺の前で妹は高らかに宣言した。

俺の夢ってなんだろう。味噌煮込みうどんをオカズにして白飯を食べながら考える。

俺は今バンドをやっている。でも全然売れてない。マジで売れない。

彼女もできない。タバコも辞めれない。(友達と1日1本の約束をしたので今日から頑張る)

みんなに夢はあるんだろうか。最近就活の話をよくする気がする。インターンに行っただのセミナーを受けただの。かく言う俺も夏にインターンに2社行き可愛いお姉さんからハーゲンダッツを貰い大変満足した。

俺がインターンに行ったのは車を売る会社とメガネを売る会社の2つだ。本当に理由もなく、ただ日にちが合ったからという理由でインターンに行くことに決めた。

去年まで学生だったあろう若いお兄さんとお姉さんが頑張って俺らに語りかける

｢大丈夫！私たちと働きましょう！｣

何が大丈夫なのか全く分からない！今日初めて会っただけの、ちょっと小綺麗な、たかだか1つか2つ上の男と女に、大丈夫！なんて言われたって、そんなの信じるわけない。

でもそれが社会ってやつなのか、中身の無い言葉を中身の無い奴らにぶつけなきゃ行けないのか。

バンドをやりたい。音楽で、中身のある言葉を中身のあるやつにも、中身のないやつにもぶつけたい。

レポートやってくる、おやすみ