小学校低学年の頃一人遊びが好きだった。
怪獣の模写とポケモンとウルトラマンのソフビで物語を作るのが特に好きだった。
当時は親父の影響でサッカーを習っていたけれどいかんせん僕には球技の才能と言うものが無く、本気でプロのサッカー選手を目指していた親父からすれば僕のサッカーが上手くないと言う事実はかなり耐え難いものだったと思う。(推測でしかないけれどね)
そんなわけで大好きな両親から褒められない毎日。それでも通わされた練習。そんな時、休みの日にハマっていたレンジャーモノの怪獣を模写した。親父が「上手だな。すごいな。」と言ってくれた瞬間。今でも覚えてる。固定電話が置いてある棚の前での一瞬の会話。その日からは僕の夢はサッカー選手から漫画家になった。お小遣いで漫画家になるセット、みたいなものを買って見よう見まねでGペンをインクに浸し描く。しかしGペンはホンットに難しくてまっすぐな線すら描けなかった。挫折した。世の中の漫画家はすげえよ、どうしてあれで絵が描けるんですか!
それでも模写は好きだった。中学校に上がってからも続けて、美術の先生に運動靴の模写を褒められて展覧会で僕にだけ金色のシールが貼られた時は嬉しかった。中3の受験のタイミングで絵を描くことは無くなってしまった。でもノートも教科書も落書きだらけだったな。ちゃんと集中しなくちゃだめだろ!何やってんだ!
一瞬の会話が、一生忘れられないかもしれない。
親父、覚えてんのかなー。